「京都」とは「洛中」であり「洛外」は含まない
先に申し上げておきますが「京都」と呼ばれるエリアは、
「京都府」でも「京都市」でもありません。
いわゆる「洛中」です。
修学旅行などでいらっしゃったことがあれば、京都御所の周りや
将棋の目になっている京都市中心部あたり。
ざっくりいうと、ここが「京都」。
それ以外は「京都ではありません」。
よって、「京都市西京区」の桂(阪急電鉄で大阪梅田までもすぐ、便利のいい場所)
や「京都市左京区」の岩倉(かの岩倉具視が隠居生活を行った風情豊かな場所)は
「京都ではありません」!
この事実を知ったとき、地方都市出身かつ東京都心で暮らしていた私は震えあがりました。
京都の人って・・怖い・・苦手だ・・・
にも関わらず、京都の人と結婚して、なんと京都に引っ越すことになってしまったわけです。人生ってわからないものです。。。(笑)
エレガントな毒の吐き方、とは。
そんな私だからこそ、手に取ってしまいました…読まないわけがない(笑)
脳科学者・中野信子さんが書かれたこちら。
めっちゃおもしろいです。もう震えます(笑)。
簡単にまとめると
- (京都外の人にとって)分かりにくい言い回しは、意地悪ではなく、何千年と続いてきた都の中で、敵をつくらないための知恵
- 京都人にとって「京都」以外の出身であれば「田舎者」
- 「イケズ」の分からない人にはそれ以上「イケズ」は言わないが「あの人は田舎者」として心の中でバカにする
- 相手を傷つけずに、相手の悪いところ、間違っているところを、遠回しに指摘して、相手に気づかせる、という京都人の優しさ
こんな感じです。
私も実際に京都に住んでみて、最初は京都人に「イケズ」を言われても気づかなかったように思います。
「イケズ」というのは、京都人特有の、ちょっと意地悪な言い回し。
相手に気づかれないように、相手をバカにする感じです。
例)お化粧が濃い人に「いつも綺麗にしてはりますね」
仕事が遅い人に「ええ人やけど、いつものんびりしてはる」
子供がうるさいときに「にぎやかなお子さんやね」等。
そして「イケズ」の分からない人=「田舎者」として、優しく接していただけるようになりました・・・苦笑。
最近は、最初から、地方出身者であることをアピールすることにしています。低姿勢で「はじめまして」のほうが上手くいく!(笑)
それが功を奏して、最近は「田舎で育ってはるからか、『おっとり』してはるねぇ。『おっとり』って京ことばやけども、わかる?『ゆっくり』『のんびり』とは違って『おっとり』ってのはお上品な誉め言葉やで」と言っていただくことが増えました。
全然おっとりなんてしてない私ですが、もう、地方出身者で『おっとり』したお上品な人を気取っております。。。(笑)
ブラックマヨネーズさんに京都を感じる話
ブラックマヨネーズさん、みなさんご存じブラマヨです。
私はここ10年くらい全然テレビを見なくなり、芸能人も全然分からないのですが(東京の目黒区に住んでいたので近所で芸能人を見かけることも多かったのですが、いわゆる大御所の方じゃないと分かりませんでした・・・)
ブラマヨは知っています。
M-1グランプリでキレッキレだったこととか、ホンマでっか!TVで、明石家さんまさんと素晴らしい掛け合いをされていたこととか。
ブラマヨのトークはキレキレすぎて、ちょっと怖い。でも、的確で面白くて、大好き。でも、なんか、怖い。
そんな複雑な気持ちを呼び覚まされる感じでした、ずっと。
で、この本の最後に中野信子さんとブラマヨの対談が載ってて、すんごい納得。
そうかそうか、ブラマヨを見てずっと感じていた「ちょっと怖い」という感覚は、お二人が京都の空気をまとっていらっしゃるからだ、と。
私は、京都の人がすっごい分かるんだと思う。先天的なものか、後天的なものか(思いつかない)、はたまた前世か。(突然のスピリチュアル!笑)
ちなみにブラマヨとの対談の最初に、中野信子さんが「おふたりは京都のご出身なんですよね?」と質問される場面がありますが、そこでおふたりとも「京都ではない」と答えられるのも印象的!(間違いなく、おふたりとも「京都市」の出身なのですが、「洛中」ではないんですよね…京都感じる!!!!!!!!)
まとめ
京都人にアレルギーのある私が(←言い過ぎ)、なぜだか京都に住むことになりました。
東京で働いていたことを知られると、ちょっと嫌がられ、京都の人は、大阪も東京も本当に嫌いなんだなと思います。
長く都のあったこの土地でならではの「相手を傷つけず、遠回しな表現で伝えて、自分で気づかせる」という会話。
遠回しすぎて、正直、「何言いたいのか全然分からない…」ということもあります。
東京なら普通な「結論から」みたいな会話は本当に嫌がられ、実際、私は引っ越してすぐは周りの人から怖がられていました。
(なんせ「結論から」で会話するからね、ビジネスだと特に・・・)
地方出身者であることを伝え、低姿勢で接すること、相手の事情をよく観察すること、相手ファーストで会話を進めること、可能な限り標準語を使わないこと(笑)、など自分ができる最大限の努力をして、やっと少し、京都に受け入れてもらえるようになりました。
京の都に誇りを持つ京都人。
誇り高き京都人。
このハードルは一生かかってもおそらく越えられないけれど、一度懐に入れば、親身になってくれる。都の優しさも感じています。
古都・京都にお越しの際は、ぜひ京都人の言い回しに耳を傾けてみてください。
言いにくいことを、上手に、相手を傷つけずに伝える方法を学べると思います。
私はこの土地で「古き良き日本」を感じています。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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