大変ご無沙汰してしまいました。
気づけば最後のブログが2024年5月・・・これがリベ大・両学長のおっしゃる続けることの難しさか・・・と痛感しております。
ブログより動画の時代だなと思いながら、私自身はやっぱり見るより書く・読む方が好きで
過去に自分が書いた本の記録などを読んで、そうだったそうだった、と思い出すことも多いので、引き続き書き続けていきます。とりあえず、ブログの更新を3年ごとにしているから、その更新までは続けたいなぁ・・・
この約半年間にも毎月3~4冊は本を読んでいて、いまiPhoneの写真を見たら「この本好きだったな」という本と「大したことなかったな」(失礼・・・)っていう本が入り交ざっていました笑。
将来、覚えておきたい何かがあった本はこのブログに残しておきたいと思います。
あと、この半年は結構新しいコスメも試して優秀なものも多かった印象。それもまた改めて「美容」のページで更新しておきたいと思います。
お付き合いいただけるかたがいらっしゃいましたら、気長によろしくお願いいたします。
日本を代表する京料理店、菊乃井さんの村田吉弘さんの本
ほんまに「おいしい」って何やろ?
ミシュランで星を獲得し続けている京都の有名店、菊乃井さん。
この写真からも分かるように目が鋭い。笑
でも、こんなにおもろいって天才か。と、うなりました。
最初から最後まで、面白かった。(読書好きにはわかると思うのですが・・・この「最初から最後まで面白い」本ってなかなかないんですよね・・・)
村田さんのトーンがそのまま伝わるからこそ、この本のおもしろさがあるので、ぜひ本書を手に取っていただきたいと思います。ぜったいに買って損はしない、と久々に、胸を張っておすすめしたい本です。
「料亭」が町衆と共にある京都
一番の学びはこれです(笑)。
菊乃井さんって、京都でもすごく敷居が高い。だってミシュランでずっと星を獲り続けている老舗。
国際会議でお料理を振舞ったり、首相官邸に出向いてお食事を提供されたり。
世界の要人をお相手にずっと京料理を作り続けている菊乃井さん。
わたしのような庶民が行ってはいけないと思っていました、本当に。
でも、違った。
この本の中で「京都は料亭(料理屋)が町衆とともにある」という話をされていました。
「普通の人」も法事とか、顔合わせとか、結納とか。お昼なら七五三のお祝いとか、年中なんやかんやで、一人の人が年齢を重ねながら料理屋を使う、というのだそう。
(え!そうなの!?いいの!?って思いながら読んだんですよ、わたしは)
菊乃井さんのHPで調べてみると確かにお昼の懐石は一人16,500円(2025年1月現在)で決して払えない価格ではないんです。
夜の懐石も22,000円からと、こちらも決して払えない金額ではない。
ちょっと頑張って、ご馳走食べに行きたいなってときには、むしろ払いたいくらいの金額。
(村田さんの言葉を借りれば、東京みたいに銀座で普通にお鮨を食べて5万とか7万とかだと普通の人は来なくなる。そういうお店は京都にはない(というか、いらない)、んだそうです)
「京都」とか「老舗」とか、そういうものや人に対して、敬意を持ちながらも苦手意識のあった私ですが、
村田さんのお考えを知るにつれ、どんどん京都が好きになりました。なんて素敵なんだろう、と。
料理屋、料亭は「公共」のものである
もうひとつ、素敵だなと思ったのは『料理屋、料亭は「公共」のもの』というお考え。
(村田さんが「お金さえ出せば」という人を「輩(やから)」と呼び、そういう「輩」が値段が高くて狭い店を予約して、その店が予約の取れない「評判の店」になり、ますます予約が取れなくて、それがいいという雰囲気になって、若い子が2.5万とか5万とかの店を出すのは「公共」とは言えない、とおっしゃっていて、本当にその通り!と思いました。
ヤカラ、って、京都に来て、初めて知った言葉のひとつなんですが笑、村田さんが使うとますます最高です)
切れ味抜群の村田さんの「京都の地元の人を相手にせんような、そんな店やりたいなら、京都でやらんと他でやったら」というような、粋な、京都人らしい発言が好きでした。
以前読んだ林真理子さんの著書(たしか『成熟スイッチ』)にも「銀座でお鮨食べたら5万とか10万で、来てる30歳くらいの若い人たちの職業は経営者とか医者とか・・」と書いてあった記憶があって、京都とは違うなーって思った記憶があったんです。もちろん金銭感覚の違いもあるし、東京という「大都会」と京都という「地方都市」の差はあるかもしれないけど、そもそもの文化というか街の気質みたいなものも違うんだなって思いました。
世界の経済、政治、文化、それらを動かしているのは「ぼん」や
「ぼん」って、使うかなぁ?
京都にいると「ぼん」聞くんです笑
そして私は「ぼん」が好きだし、「ぼん」に好かれるし、なんなら夫もある意味「ぼん」かもしれません笑
老舗の●代目、など「おぼっちゃま」のこと。
一代で築き上げた「創業者」はアグレッシブで攻撃的でフェラーリ乗り回しちゃうような「イケイケ」な感じ。
それに対して「ぼん」は同志社とか立命館とかの大学、なんなら大学院を出て(しかも小学校からずっと私立で上がってきてる)、それなりのものを見て、聞いて「アグレッシブ」なんて縁がない。
「お前、ほんまに賢いな」って言われたら、嫌み、皮肉とは思わず素直に「ありがとう」と言っちゃうような「ぼん」ちゃんたち。笑
もちろん、村田さんも菊乃井の三代目ですから正真正銘の「ぼん」です。笑
この「ぼん」は、肯定されて、自信をつけるとものすごい力を発揮する。
「いままで通り、のびのび勉強して、もっといろんなことを勉強して、やりたいことをやったらええ」と言われるとますます伸びる。そんな人たちだそう。
いろんな理由で、私も大きく頷きました。
そして、私はそんな「ぼん」が大好きだし、京都にいるとこの「ぼん」たちの力をすごく感じます。
「ぼん」は違う。「ぼん」はすごい。育ちが全然違うから。絶対にかなわない。そう思います。
まとめ
年明け最初に読んだ本がたまたまこの本でした。
なんでもかんでも「おいしい!」「うまい!」「やばい!」と叫んでるテレビ番組に疑問符。
毎日ハレの料理を食べて自慢している人たちや、まぶしいSNS界隈の人たちをみて、お金持ちだなとは思いながら、私はご飯と明太子があればいいや、と思う日々(笑)。
そんなときに京都の老舗、誰も文句を言えないレベルの一流の料理人、菊乃井三代目の村田さんの言葉はとっても胸に響いたし、京都の深さを学べる一冊でした。
今回紹介していない、立命館大学時代にフランスに修行?に出た話とか、
名古屋に修行に行って年下の先輩たちに包丁突き付けられながらも「ぼん」だからご馳走してあげた話とか、
和食の出汁の話とか、娘婿さんの話とか、アカデミックな話とか。
書ききれないくらいすべてが面白くって、ほんとに全力でおすすめしたいです。
そして、私は今年中に菊乃井さんのランチを予約したいなと思っています。
菊乃井さんの「しつらえ」と「料理」とその「空気」を味わいたい。そんな抱負を抱きました。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
京都だからか、とても人気で、近所の本屋さんで売り切れていたので私はAmazonで買いました📚
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