山口周さんの本はタイトルが好きです。
劣化するオッサンっていう表現がいい。
なんといっても私は劣化を恐れるBBAですからね。。。
さて、本題です。
「劣化するオッサン社会の処方箋(山口周著)」の主要メッセージ
下記4点。順番にご紹介します。
- 組織のトップは世代交代を経るごとに劣化する
- オッサンは尊敬すべきだという幻想を捨てよう
- オピニオンとエグジットを活用してオッサンに圧力をかけよう
- 美意識と知的戦闘力を高めてモビリティを獲得しよう
①組織のトップは世代交代を経るごとに劣化する
大企業にお勤めの方なら、肌感覚的に「そうだよね」という感じだと思います。
創業者は一流で素晴らしい方だったとしても、組織の人材クオリティが世代交代を経るごとにエントロピー増大の影響を受けて三流の平均値に収斂されるという話です。
もう、その通りですね。
ちなみに「二流は一流を見抜けるが、二流は一流が嫌いなため、一度でも二流が企業トップになれば、そのあと一流がトップになることはない」というような表現もあり、大きく頷きました。これぞ日本企業!(オジサンたちの足の引っ張り合い)という感じですね。悲報でしかありません。。。
➁オッサンは尊敬すべきだという幻想を捨てよう
かつての「何百年もの間、ライフスタイルがほとんど変わらない」時代であれば「長く生きている」人々の経験・知識は有益だが、今のように環境の変化が早く、過去の知識や経験の陳腐化がどんどん進む社会で、単に「長く生きている」価値は減少、むしろ老害、という指摘。
こちらもその通り。私が入社した20年ほど前であれば、生き字引(もはや死語?)と呼ばれるお局様や取引先について誰だどうだこうだ、過去にどんなことがあったと教えてくるお偉いさんが「データベースとしての役割」を担っている部分もありました。仕事は遅いし、話は長いし、面倒だが、データベースとしての存在価値がある、と思っていました。(生意気な新入社員!笑)
しかし、もはやそんな時代ではない。
不良債権化した知識や経験を振り回せば、もはや老害です。私も気を付けなければ…と思います。
③オピニオンとエグジットを活用してオッサンに圧力をかけよう
オピニオン:声に出して意見する
エグジット:オピニオンによって改善しないならその場から退出する
つまり、オッサンたちの間違いについて指摘し、自分の意見と違えば、その場を去ることができる自分になることが必要です。
オピニオンもエグジットもせず、ただダラダラとそこに居座るということは、そこにいるオッサンを支持していることと同意、ということ。(耳が痛い…!)
④美意識と知的戦闘力を高めてモビリティを獲得しよう
山口周さんらしいご意見ですね。
美意識については『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』(ブログの最後にリンクを貼っておきます)にも書かれていましたが、MBAで学ぶような論理的思考だけでなく、アートを大切にしているのが「今の」世界のエリート。ただただ理論武装するだけでは、ここぞというときに直観が働かない。アートが必要。(この本に書かれている豊臣秀吉と千利休の話が非常に印象的でした!)
そして、知識戦闘力については若いうちから良質なインプットが欠かせません。そのためには「読書」が有効であることは言うまでもありません。
懸念事項として挙げておられたのは、
若年層のなかで「本を読まない人」があまりにも多いということ。
質の高い結晶性知能を構築するためには、青年期から中・長期的に良質なインプットを継続することが必要なのに、そもそも本を読まない人が多い。概ね4割~5割の20代・30代が1か月に1冊も本を読んでいないという統計データがあり、劣化したオッサン以上に劣化した「ゾンビオッサン」ができあがる、という指摘もありました。
(確かに会社の人たちは全然本を読んでいない印象です。特に若い人に至っては「活字が苦手」と言っています。それに対して、私の家族含め、ママ友や教養のある友人たちはみんな本をよく読んでいます。読みたい本が多すぎる、というのが共通の話題になるほど、みんな本が大好きです。年齢的な差なのかと思っていましたが、社会トレンドなんですね…大丈夫か、日本!?!?)
「モビリティ」は「良い仕事体験」によって育つのですが、「副業禁止」の日本企業が多く、なかなか人的資本と社会資本が育たないということも問題です。
こうやって、日本企業にしばられて、一生をささげた結果、オッサンたちは劣化してしまったということですね。。。お気の毒。。。
まとめ
「劣化したオッサンたちが、単に「年を食っている」という理由だけで得てきた大きな発言権や影響力は間違いなく弱体化します。
しかし既得権益が引きはがされ、大きな「パワーシフト」が起きるとき、後退させられる側の「古いパワー」はろうそくが最後に燃え尽きる際に放つ大きな炎にも似たヒステリーを周囲にまき散らします。
昨今の「劣化したオッサン」による各種の傍若無人なふるまいは、まさに、終焉しようとしている権力システムがあげている断末魔の叫びだととらえることもできるでしょう」
この一節が非常に、印象的でした。
オッサン社会の終焉、いつになるかわかりません。
特に大企業はもうしばらく劣化したオッサンが生息できる場所であり続けるかもしれません。
でも、いつか、必ず、終焉を迎えます。そう期待しています。笑
そのとき、劣化したオッサンに教えられた使えない知識しか携えていない人々が大量の使えない人材となっていることも分かります。あの人とかあの人とかあの人とか・・・あぁ怖い。
その「あの人」に自分自身がならないために、
美意識を鍛え、知識戦闘力を高め、そして社会資本・人的資本を育てたいと改めて思いました。
そのために、いまできる学びの一つは賢人たちの書を読むこと、つまり読書。良質なインプットをして、このブログでアウトプットをして、自信の力としていけるよう引き続き学び続けていきたいです。
人生100年時代の到来に必要な考え方を学べる本です。ご一読をおすすめします。(下にリンクを貼っております。ぜひご活用ください)
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
↑ブログ内でご紹介した「美意識」について。しつこいですが、豊臣秀吉と千利休の関係の説明が、非常におもしろかったです!
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